日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P2-10
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ポスターセッション2
視覚的作動記憶における保持のオンライン指標としての瞳孔サイズ
*相澤 裕紀内藤 佳津雄
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抄録
本研究では視覚的作動記憶における保持の新たなオンライン指標として瞳孔サイズが有効かを検討した。実際に Unsworth and Robinson (2015) は変化検出課題中に保持した対象の数の増加に伴う散瞳を報告している。実験1では Unsworth and Robinson (2015) の追試として変化検出課題遂行中の瞳孔サイズの測定を行い,保持対象の数が多い条件で遅延期間中の持続的な散瞳を示した。この結果が見本配列の呈示に伴う刺激の物理的な明るさの変化や符号化処理による可能性を排除するため,実験2では実験1と同様の配列を提示して視覚探索課題を行った。その結果,保持を求めない場合には持続的な散瞳が認められないことを示した。符号化した情報を視覚的作動記憶に保持している場合には瞳孔サイズの持続的な散大が生じ,保持を求めない場合には散大が持続しないことから,瞳孔サイズが視覚的作動記憶における保持のオンライン指標として有用であることが示唆された。
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© 2016 日本認知心理学会
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