日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第15回大会
セッションID: P4-16
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ポスター4 《記憶》
ノスタルジアが擬人化に与える影響の検討
中村 紘子川口 潤
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抄録

擬人化とは人以外の対象に人特有の性質を知覚することである。孤独感は擬人化の促進要因の一つであり,社会的つながりの欠如は人とのつながりを希求させ,人らしさを知覚させやすくする (Epley et al., 2007) 。ノスタルジックな記憶はこうした孤独感と関連する自伝的記憶であり,社会的つながりに関する内容を含みやすく,孤独感を低減させることが示唆されている (Wildshut et al., 2010)。よって,(1)ノスタルジックな記憶の想起は孤独感を低減させ対象の擬人化を抑制し,一方,(2)ある対象についてのノスタルジックな記憶の想起は対象との社会的なつながりを知覚させ,その対象の擬人化を促進することが考えられる。実験1ではノスタルジックな記憶の想起はガジェットに対する擬人化を抑制することを示し,実験2では対象についてのノスタルジックな記憶の想起は対象の擬人化を促進する傾向があることを示した。

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© 2017 日本認知心理学会
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