日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-D11
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ポスターD
即時模倣発声反応を用いたマガーク効果
*小川 陽生鈴木 悠介山崎 大暉永井 聖剛
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抄録
従来マガーク効果の研究では知覚音声の候補を選択肢として与えるため,選択肢にはない知覚音声を捉えることが困難であった。Gentilucci and Cattaneo(2005)では選択肢の制約を受けない回答法として,刺激音声を真似る自己発声(模倣発声反応)を用い,マガーク効果による音声知覚の連続的変化を検討していた。彼らの研究では刺激音声提示後,模倣発声開始までのタイムプレッシャーがなかったが,本研究では刺激提示後すぐに模倣発声を求めた場合でもマガーク効果が再現されるかを検討した。実験の結果,聴覚刺激に対する即時模倣発声においても課題無関連な視覚的調音情報の影響を受け,マガーク効果に関わる視聴覚情報の統合が速やかに生じ,視覚的調音情報に近い音響特徴を持つ自己発声が行われることを示した。さらに発声反応潜時,発声音圧など,他の発声パラメータを含め,マガーク効果の生起について検討を行う予定である。
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© 2022 日本認知心理学会
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