日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_B10
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ポスター(思考・言語・注意)
人工知能は音象徴の夢を見るか?
――ランダム効果を推定できる実験デザインの有用性――
*井関 龍太
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抄録

ポケモンを想定した名前には音象徴効果が働くことが報告されている。たとえば,有声阻害音を含む名前のポケモンは,無声阻害音のそれよりも,強く,大きいと判断される。名前以外の手がかりはないので,これらは音の組み合わせの効果である。画像生成AIには,テキスト入力に基づいて画像を作るものがある。これはテキストと視覚的特徴の間の複雑な結びつきを学習した結果である。では,音象徴効果が期待される名前をAIに入力して生成された画像は,それに対応した特徴を持つのだろうか。本研究では,有声阻害音もしくは無声阻害音を含む名前から生成された架空のポケモン画像を提示して,いずれの名前が合っていると思うか,どのくらい強いと思うか,大きいと思うかの評価を求めた。名前の効果は認められなかったが,刺激のランダム効果を推定できる実験デザインを用いることで一度の実験によって刺激によるアーティファクトを判別できることが示唆された。

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