日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: O2-5
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予期的なつかしさと特性なつかしさの関係
:日本語版予期的なつかしさ尺度の開発
*楠見 孝
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抄録
本研究は,予期的なつかしさと特性なつかしさの関係を明らかにするために,研究1では,大学生94人に,予期的なつかしさの有無とある場合の対処行動についての自由記述形式の質問紙を実施した。その結果,予期的なつかしさは88%が報告し,そのうち72%が対処行動をとり,その主な内容は行動する(87%),写真などの外部記憶を使う(13%)であった。研究2では,Batcho & Shikh(2016)に基づく日本語版特性予期的なつかしさ尺度(10項目)とZhou et al.(2020)に基づく状態予期的なつかしさ尺度(4項目)を作成し,市民828人(16-79歳)を対象にオンライン調査を行った。その結果,予期的なつかしさの状態と特性の2尺度の信頼性は高く,4つの特性なつかしさ尺度(SNS, Barrett et al., 2010;BNI,Batcho, 1998; PINE,Newman et al.,2020;なつかしさポジティブ-ネガティブ傾向性,楠見, 2021)との相関も高く,妥当性が確認できた。また,予期的なつかしさの状態と特性では異なる相関のパタンが見られた。
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