2021 年 7 巻 2 号 p. A_175-A_184
事故リスクに関わる情報伝達を有効に行うために,多様な情報媒体により道路利用者の安全意識を醸成させることが重要となる.本研究では,文字情報板による事故リスク情報提供に着目し,新潟都市圏ならびに松山都市圏にて道路情報板による情報提供を試行し,期間中に実施された681票のアンケート調査データを用いて,ドライバーの情報利用状況が事故リスク情報への態度や安全意識に与える影響を共分散構造モデルにより分析した.その結果,ドライバーの情報獲得状況に関わる規定因が安全運転意識および事故リスク情報態度に対し影響を与えること,道路上における文字情報板にて事故リスク情報を提供することにより,情報を受けたドライバーの交通事故リスクの情報内容に対する納得度や理解度の向上を介して安全運転意識の改善に寄与する可能性が示された.