抄録
近年、世界中で歴史的建築物や古い建築物を文化施設へと再活用する文化戦略が実施されている。しかしながら、歴史的建築物はその物語性よりもハードの活用と保全に重きが置かれてきた。これらの建築物は、単なる観光資源ではなく、都市文化を構築している1つの重要な文化観光資源であり、その背景には物語性や歴史が存在している。それらを観光客だけではなく、地域の住民にも認識してもらうことが維持可能なコンテンツツーリズムにつながるのである。そこで、歴史的建築物を有効に活用し、維持可能なコンテンツツーリズムにつながっているのかについて、以下では地域経済学に文化経済学を付け加えた視点から考察・検討している。第2節では、香港経済の経済的背景と歴史的建築物の芸術文化施設への活用との関係性について概説し、第3節では、芸術文化施設への再活用と観光との関連性や施設の活動の現状について考察している。最後に、歴史的建築物の再活用と維持可能なコンテンツツーリズムに関する課題と展望を述べている。