日本調理科学会誌
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糖アルコールを用いたハードメレンゲの性質
井川 佳子行友 圭子本澤 真弓
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2010 年 43 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

3種の糖アルコールとスクロースを用いて,4レベルの糖濃度(50%,100%,150%,200%)を添加したハードメレンゲを調製した。我々は調製過程におけるメレンゲの性質,即ち,焼成前後のメレンゲの物性,保存中のかたさ変化,ハードメレンゲの示差走査熱量測定,と高湿度下における変化などを研究した。
焼成前の糖濃度の高いラクチトールメレンゲは,最も高い圧縮応力を示した。ラクチトールメレンゲは周囲から湿気を吸収し,容易に軟化した。
焼成後のソルビトールメレンゲはゆっくりと硬化し,最終的に非常にかたいメレンゲになった。DSC測定の結果,ソルビトールメレンゲ中には,元のソルビトールとは異なるタイプの結晶が生じていることが分かった。
キシリトールメレンゲは適度のかたさをもち,スクロースメレンゲと同様,高湿度下の保存で少し影響を受けた。結論として,キシリトールはスクロースに次いでハードメレンゲに適した糖であった。

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© 2010 一般社団法人日本調理科学会
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