日本調理科学会誌
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にがり添加がプディングの調理特性,抗酸化性ならびに嗜好性に及ぼす影響
佐藤 久美小川 友理江長尾 慶子
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2011 年 44 巻 3 号 p. 200-205

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抄録

豆腐の凝固剤である‘にがり’を用いてプディングを調製し,その製品の色差測定により外観の評価,テクスチャー測定および動的粘弾性の測定により物性の評価,抗酸化性の評価,官能評価による嗜好性を評価し,総合的にプディングの品質を検討した。
その結果,無添加に比べて,‘にがり’添加により黄度が弱く,明度が高い製品となった。テクスチャー測定では付着性が低く,軟らかいプディングとなった。抗酸化性においても‘にがり’添加で増強されることがわかった。動的粘弾性測定では‘にがり’添加濃度0.5 wt%の製品が高周波領域では他の試料に比べ貯蔵弾性率ならびに損失弾性率が周波数に大きく依存し,ゲル構造が柔らかくしなやかなプディングであると考えられた。嗜好意欲尺度法による官能検査では0.5 wt%添加が最も嗜好意欲が大であり,プディングへの‘にがり’添加の有用性が認められた。

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© 2011 一般社団法人日本調理科学会
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