ダイコン,ニンジン,ジャガイモの1~3cm角を20℃,0.8~2.0% NaCl水溶液に浸漬した時の試料内部の食塩濃度分布の経時変化をプログラム計算により算出した。プログラムは三次元熱伝導および拡散解析に基づく差分法を用い,Visual Basic(Microsoft)により作成した。水から加熱し余熱を利用して適度な硬さとしたものを試料とした。計算により試料全体の平均濃度が0.6~0.9%になる時間を求め,実際に試料を調製し,塩味の濃さについて-2から+2の5段階評点法で官能評価を行った。官能評価の結果,0.8~1.5% NaCl水溶液浸漬時の試料全体の平均濃度が0.7%であれば,野菜の種類やサイズによらず適度な食塩濃度であった。2.0% NaCl水溶液では試料断面の食塩濃度分布から表面付近が濃すぎて適度な状態が得られなかった。加熱時の調味時間はそれぞれジャガイモ>ニンジン>ダイコンの順に長かった。