日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
自然薯蒸しパンの品質におよぼす気泡の影響と蒸しパン粥への利用適性
宮下 朋子原田 和樹長尾 慶子
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 46 巻 3 号 p. 153-160

詳細
抄録
 福島産の粘りの強い自然薯を用いて,撹拌時間を変え含有気泡量を変えた各試料を米粉に加えた蒸しパン製品を調製し,製品中に分散する気泡の状態が蒸しパンの品質に及ぼす影響について検討した。次いでこれらの自然薯蒸しパンから粥を調製し,嚥下困難者用食品としての利用適性を検討した。その結果,加熱前自然薯蒸しパン試料のみかけ密度は,撹拌時間10分までは減少し,膨化が大となった。自然薯蒸しパンから調製した粥試料の官能評価では,撹拌時間8分の製品が,味,総合評価で好まれる傾向にあった。抗酸化能の指標の一つであるORAC値は,生自然薯皮付きで361(μmol TE/100 g),自然薯蒸しパンは76,蒸しパン粥は25であった。副材料を工夫することで抗酸化能も嗜好性も好まれる製品になることが期待できる。
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top