日本調理科学会誌
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水道水のミネラル成分および物性によるグループ化と味の評価に関与する要因の抽出
池 晶子山本 紗由美川瀬 雅也
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2016 年 49 巻 1 号 p. 74-81

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抄録
 水道水の水質は,原水である河川水,地下水,湧水の質を反映する。なかでも含有ミネラル成分濃度や硬度は水道水の味に多様性を与えているとの報告がある。本研究では水道水に比較的高濃度に含まれるNa, Ca, K, Mg, Siの濃度およびpHやTOCなどの物性をもとに国内の20か所の水道水を主成分分析にて分類し,判別分析により味の評価結果との関連性を調べた。その結果,水道水は地域ごとに似かよった水質特性を示し,水道水の取水地の地表水,地下水の別に共通する特徴が見られた。また,Si濃度やCa濃度が低いグループには,地表水が多く,味の評価の高いものが多く含まれていた。さらに,判別分析ではSi濃度,Ca濃度,pHの判別係数が高く,主成分分析での結果と矛盾しなかった。
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© 2016 一般社団法人日本調理科学会
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