日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
資料
スチームコンベクションオーブンによる加熱が食品のテクスチャーおよび調味成分の拡散に及ぼす影響
古田 歩多山 賢二荒木 彩濱川 祐実岡本 洋子谷本 昌太
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 51 巻 6 号 p. 344-350

詳細
抄録
 スチコンによる加熱が,5種類の食材(カボチャ,ジャガイモ,コンニャク,加熱卵白,カマボコ)のテクスチャー,ナトリウムイオン(Na)とグルコース拡散量および味に及ぼす影響について調べた。
 実験条件は,コンビスチームモード,蒸気量100%,庫内温度160℃で,5分,10分,20分加熱の3条件とした。3%塩化ナトリウムおよび10%グルコースを含む溶液中で加熱調理を実施し,重量測定,色彩値測定,テクスチャー解析,試料中のNaおよびグルコース量の測定および官能評価を行った。
 (1) テクスチャー解析では,カボチャは20分加熱で,ジャガイモは10分加熱で初期の軟化がおおよそ完了した。
 (2) 試料中のNa量は,加熱前は各々濃度の異なる試料だったにも関わらず,20分加熱を行うとNa量が同等レベルになった。一方,グルコース量は10分加熱において,新たに拡散した量が5食材間でほとんど同じであった。
 (3) 官能評価では,コンニャクにおいて10分加熱が美味しいと評価された。
著者関連情報
© 2018 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top