抄録
スチコンによる加熱が,5種類の食材(カボチャ,ジャガイモ,コンニャク,加熱卵白,カマボコ)のテクスチャー,ナトリウムイオン(Na+)とグルコース拡散量および味に及ぼす影響について調べた。
実験条件は,コンビスチームモード,蒸気量100%,庫内温度160℃で,5分,10分,20分加熱の3条件とした。3%塩化ナトリウムおよび10%グルコースを含む溶液中で加熱調理を実施し,重量測定,色彩値測定,テクスチャー解析,試料中のNa+およびグルコース量の測定および官能評価を行った。
(1) テクスチャー解析では,カボチャは20分加熱で,ジャガイモは10分加熱で初期の軟化がおおよそ完了した。
(2) 試料中のNa+量は,加熱前は各々濃度の異なる試料だったにも関わらず,20分加熱を行うとNa+量が同等レベルになった。一方,グルコース量は10分加熱において,新たに拡散した量が5食材間でほとんど同じであった。
(3) 官能評価では,コンニャクにおいて10分加熱が美味しいと評価された。