近年,離乳食調理において,手間や時間の短縮のためフリージングの活用が広まっている。
しかし,フリージングした離乳食用食材のテクスチャーや栄養価の報告は少ない。そこで,にんじんとほうれんそうを用い,ゆで調理,フリージング後の解凍方法の違いによる影響を検討した。
食材はゆでおよび切砕後,ポーションに分けて一定期間フリージングした。2種の急速解凍(ゆで解凍,マイクロ波解凍)を行い,各々の重量変化・テクスチャー,栄養価を検討した。
急速解凍後の重量変化率はにんじん,ほうれんそう共に,ゆで解凍の方が高くなった。テクスチャーのかたさ応力は,にんじんにおいてマイクロ波解凍で低下した。栄養価の損失は,ビタミンC,葉酸,鉄においてゆで解凍の方が大きかった。
離乳食調理におけるマイクロ波の利用は,ゆで解凍と比較して簡便であり,栄養価の損失が少なく,テクスチャーの観点からも望ましい調理法であることが明らかとなった。