日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
ノート
離乳食用食材における解凍方法の違いがテクスチャー・栄養価に及ぼす影響
金髙 有里名倉 秀子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 51 巻 6 号 p. 336-343

詳細
抄録

 近年,離乳食調理において,手間や時間の短縮のためフリージングの活用が広まっている。
 しかし,フリージングした離乳食用食材のテクスチャーや栄養価の報告は少ない。そこで,にんじんとほうれんそうを用い,ゆで調理,フリージング後の解凍方法の違いによる影響を検討した。
 食材はゆでおよび切砕後,ポーションに分けて一定期間フリージングした。2種の急速解凍(ゆで解凍,マイクロ波解凍)を行い,各々の重量変化・テクスチャー,栄養価を検討した。
 急速解凍後の重量変化率はにんじん,ほうれんそう共に,ゆで解凍の方が高くなった。テクスチャーのかたさ応力は,にんじんにおいてマイクロ波解凍で低下した。栄養価の損失は,ビタミンC,葉酸,鉄においてゆで解凍の方が大きかった。
 離乳食調理におけるマイクロ波の利用は,ゆで解凍と比較して簡便であり,栄養価の損失が少なく,テクスチャーの観点からも望ましい調理法であることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top