日本調理科学会誌
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抗カエルPA抗体および患者血清を用いたELISAによる127魚種のパルブアルブミンのアレルゲン性評価
倉田 香織土橋 朗栗原 和幸板垣 康治
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2019 年 52 巻 3 号 p. 147-158

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抄録

 魚肉に含まれる主要なアレルゲンの一つであるパルブアルブミン(PA)の含有量は魚種により異なると考えられる。本研究では,抗カエルPA抗体および患者血清を用いたELISAにより,サケ科12魚種の中で,シロザケが最も反応性が低いことを明らかにした。陸封型サケの抗原性は陸海型サケのそれよりも高く,特定原材料のアレルギー表示において陸封型のトラウトが表記されていない問題を明らかにした。124魚種の抗原性スクリーニングの結果,アナゴが最も高い抗原性を示した。硬骨魚鋼では,サバフグやシラウオが低かった。軟骨魚鋼であるメガネカスベ,ヨシキリザメ,カワヤツメの抗原性も低かった。精製PAを用いた定量の結果,シログチ17.6mg/g,シロサケ6.1mg/g,トキシラズ4.9mg/g,シシャモ5.9mg/gであった。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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