日本調理科学会誌
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真空フライ法によるリンゴチップスの性状におよぼす加熱温度の影響
吉村 美紀澤村 弘美加藤 陽二圓尾 詩織江口 智美鯛 かおる
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2020 年 53 巻 1 号 p. 10-17

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抄録

 真空フライリンゴチップスと常圧フライリンゴチップスの外観,テクスチャー,嗜好性,栄養成分の比較を行い,真空フライリンゴチップスの性状に及ぼす加熱温度(75℃,85℃,95℃)の影響について検討することを目的とした。

 真空フライリンゴチップスは常圧フライリンゴチップスと比較し,外観が明るく,官能評価では,色が薄く,香りが良く,油臭さが少なく,食感が好ましく,総合評価で好ましいと評価された。真空フライリンゴチップスはビタミンC量が多く,脂質酸化物が少ないことから酸化が抑制されていることが推察された。

 加熱温度の比較では,真空フライリンゴチップス75℃加熱の方が,95℃加熱より色が薄く,油臭さが少なく,総合的に好ましいと有意に評価された。真空フライリンゴチップス75℃加熱の方が,95℃加熱よりビタミンC量が多いことから,アミノカルボニル反応が抑えられ,酸化が抑制されることが推察された。

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