本研究では,市販パン酵母で作成したパンの風味に着目し,パンの香りの特徴を官能評価で評価し,香りのイメージを色に置き換えて表現することで香りの特徴を第三者にわかりやすく伝える手段について検討した。
9種の市販パン酵母を用いて作成したパンの成分分析(有機酸,遊離アミノ酸,香気成分)および分析型パネル15名による香りに関する官能評価(CATA法,色彩評価)を実施した。
パンの成分として,主に酵母由来のアミノ酸量と酵母の発酵力に由来する香気成分に違いが見られた。パンの香りの官能評価では,発酵香は青,甘い香りは赤,橙,こうばしい香りは橙,明度の高さ,と相関があり,香りのイメージを色相と明度で表現できることが示唆された。本研究により,市販パン酵母を用いたパンの成分の特徴が明らかになり,また香りのイメージを色で置き換えた表現がパンの特徴を消費者にわかりやすく伝える手段として提案できる可能性が示唆された。