日本調理科学会誌
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日常食のモデル献立における調理前後のフラボノイド含有量の変化
萬年 遼羽根 あさこ佐野 文美大槻 尚子合田 敏尚下位 香代子市川 陽子
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2022 年 55 巻 2 号 p. 84-96

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抄録

 フラボノイドは様々な機能性を有しており,心疾患や肥満等の発症リスク軽減効果が示されている。食事から摂取するフラボノイド量の把握は疾病予防効果との関連を調べる上で重要であるが,日本人の日常食におけるフラボノイド量に関する報告は少ない。我々は,日本人の日常食のモデルとして学内の給食経営管理の実習献立19種に含まれるフラボノイド(ケルセチン,ケンフェロール,ダイゼイン,ゲニステイン,アピゲニン,ルテオリン)量をHPLCにて測定した。また,調理前と調理後の含有量を料理95品について測定し,調理による変化を検討した。1食あたりのフラボノイド量の平均は,調理前7.03±0.49 mg(0.21±0.04 mg~25.96±1.90 mg),調理後7.31±0.56 mg(0.08±0.02 mg~31.57±2.11 mg)であり,献立間で大きく異なった。調理による変化では16品で有意な減少(p<0.05),10品で有意な上昇(p<0.05)がみられた。

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