伝統的なソバ穀粒の加工法である寒晒し処理は,厳冬期の川の流水にソバ穀粒を浸漬するものであるが,その手法は現在実施される地域によって若干異なっている。本研究は,このようなソバの寒晒し処理法の違いが穀粒中の成分変化に及ぼす影響を明らかにすることを目的に実施した。その結果,ソバ穀粒を浸漬しても遊離糖およびタンパク質は水中に流出しないが,縮合型タンニンは流出すること,その縮合型タンニンの流出量は浸漬期間に比例することが明らかになった。また,ソバ穀粒の遊離アミノ酸は,長期浸漬し日陰で長期間かけて乾燥した場合に最も増加し,気温が低い場合により多く増加することも明らかになった。このような縮合型タンニンの減少,遊離アミノ酸の増加が食味に影響を与えていると推察される。