日本調理科学会誌
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不溶化オボムコイドの消化・吸収性とアレルギー誘発能との関連
富岡 敏彦内藤 宙大廣瀬 潤子成田 宏史和泉 秀彦
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2026 年 59 巻 1 号 p. 8-16

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抄録

 ベイクドエッグでは,オボムコイド(OM)が不溶化することでアレルゲン性が低下することが知られているが,その詳細な機序は明らかになっていない。そこで本研究では,焼成OMの消化・吸収性を解析し,アレルギー症状誘発との関連性を検討した。イムノブロットにおいて,焼成OMの上清中のタンパク質濃度は,精製OM,加熱OM,および非焼成OMと同程度であったが,それらの試料と比べ発色が弱く,抗体結合能が低下していた。動物実験において,焼成OM群においてアレルギー症状が抑制された。また,OMを摂取したマウスの血中からOMが検出され,その中で焼成OM群が最も低値を示した。しかし,これらのマウスの120分後の腸管内容物や糞中からOMは検出されなかった。以上のことから,焼成OMは消化によってIgE抗体が認識しずらい小さい断片へ分解されることで,体内へ吸収されても抗体が結合しにくくなっており,それによってアレルギー症状が抑制されている可能性がある。

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