本研究では,炊飯方式の違いが米飯の物理特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,炊飯温度履歴および加熱方式の異なる3種の炊飯器(圧力IH式:IH-P,IH式スチーム噴射:IH-S,蒸気式:ST)を用いて,米飯および炊飯過程(沸騰前,沸騰後)の米と炊飯液を分析した。米飯の重量,水分量は,IH-S,IH-P,STの順で大きく,IH-Sは沸騰前,沸騰後の米の重量,水分量も多かった。米飯の糊化度はいずれの炊飯方式も90%程度であった。飯粒表層の固形物量はSTで少なかった。官能評価では,STは硬く,粒立ちがあり,粘りが少ない一方,IH-Sでやわらかく,水分感があると評価され,米飯の重量,水分量の結果と一致していた。これは,米に加えた水を蒸発させながら炊飯するIH-PやIH-Sとは異なり,STは蒸気により加熱する炊飯方式であること,IH-Sは沸騰前の米に水を多く吸水させ,炊飯時間を短く蒸発量を抑えて炊飯していたためと考えられる。