2026 年 59 巻 5 号 p. 334-340
ウルトラファインバブル(UFB: Ultrafine Bubbles)という,その直径が 1 μm以下と非常に小さい泡素材を,茶碗蒸しを作製する際に有効利用できる可能性があることを報告する。具体的には,茶碗蒸しの調理において白だしの希釈にUFB水を用いることにより,「す」の形成が抑制された。SEMにて茶碗蒸しの構造を解析した結果,UFBを用いた茶碗蒸しのタンパク質構造は一定の方向性を持って繊維状に凝集していることが確認され,純水を用いた茶碗蒸しでは,「す」が発生することにより,その規則性を阻害していると思われた。また,「す」の中心で観察された異質な凝集体について解析を行なったところ,リボフラビン結合タンパク質が関与している可能性が高いと考えられた。UFBを使用し,「す」の数が減少することは,茶碗蒸しの見た目だけでなく,その物性にも変化を与え,美味しさ向上にも寄与することが期待できる。