日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
キャノーラ油の添加率が蒸しパンの食べやすさと嗜好性に及ぼす影響
―蒸しパンおよび模擬食塊の物性と官能特性から―
江口 智美, 鈴木 璃恩, 石田 真結加, 吉村 美紀
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2026 年 59 巻 5 号 p. 324-333

詳細
抄録

 キャノーラ油を0~40%(ベーカーズ%)添加した蒸しパン(SB-CO0,SB-CO20,SB-CO40)の咀嚼・嚥下しやすさ(食べやすさ)と嗜好性を,初期特性(成分と物性),官能特性,模擬食塊特性から検討した。その結果,キャノーラ油を40%添加したSB-CO40はSB-CO0よりも食べやすい可能性がありおいしいことが示唆された。SB-CO40は,なめらかさとしっとり感が強く,やわらかく,凝集性が低く,飲み込みやすく,べたつき感は強いが総合的においしいと知覚された。また,この蒸しパンは,やわらかさと低凝集性から噛みやすい可能性が考えられた。40%のキャノーラ油添加は,食塊の付着を抑え飲み込みやすくするが,総合嗜好と負に偏相関したべたつき感の一因である可能性が示唆された。特筆すべきは,SB-CO40は水分含量が40.7%に低下したにも関わらず飲み込みやすさが向上したことであり,水分含量以外の油の役割の重要性が示唆された。

著者関連情報
© 2026 一般社団法人日本調理科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top