抄録
アブラナ属のAゲノム及びCゲノムの各々から自家和合種と自家不和合種を選び、自家不和合性の発現と、雌ずい各部の細胞の生長を、自家和合種と自家不和合種のあいだで比較した。雌ずいの乾物重、雌ずいの長さ、花柱の柔細胞の長さ、柱頭内の誘導組織細胞の長さの4形質は開花前数日間指数的な生長を示した、これら4形質の相対生長率は自家和合種で高く、自家不和合種で低かった。柱頭上の乳頭細胞の生長は上の4形質とは異なっていた。乳頭細胞は開花数日前に生長を停滞する。この生長停滞期間及び停滞の程度は、自家不和合種において長く、また著しく、自家和合種においては短期間であるか、あるいはほとんど停滞しなかった。乳頭細胞の生長停滞の始まりと、自家受粉による稔性の低下は同時におこった。これらの事実は、乳頭細胞の生長停滞と自家不和合性の発現の間には密接な関係があることを示している。