抄録
食塩を添加したコーンスターチ糊液のレオロジーおよび熱的特性を静的・動的粘弾性測定,DSC測定と顕:微鏡観察により検討した. 糊液の粘度は,食塩濃度により影響を受け,5wt%以下と15wt%以上の食塩添加で大きくなった. 低食塩添加濃度(5wt%以下)の粘度増加は,サイズの小さなNa+やC1の電解質が澱粉粒子内へ侵入し,澱粉粒子の膨潤を促進するためである. また,中間の食塩添加濃度(5wt%以上15wt%以下)では,懸濁液中の食塩濃度が比較的高いために水の;構造が変化しており,澱粉の糊化温度が高くなり糊化度が低くなり,澱粉粒子の膨潤率が小さくなったため,粘度の低下がみられた. 一方,高食塩添加濃度(15wt%以上)では,糊化前でもClは澱粉粒子内に侵入し,多量のClによってグルコース鎖問の水素結合が破壊され,より多くのグルコース鎖が溶出したために大きく粘度が増加した.