抄録
本研究では,高齢者に好まれるごぼうを材料とした,食べやすいレトルト食品開発の基礎的研究を,力学的特性,咀嚼運動,官能評価より検討した。その結果,加圧・加熱時間が長く,表面積を大きく成形したごぼうであるほど軟かく調理できることが判った。また, ごぼう繊維に対して, 斜め方向から咀嚼できるよう成形したごぼ,咀嚼速度が速く食べやすいことが示された。以上の結果より,ごぼうは,加圧・加熱時間,加熱時の表面積,および咀嚼時における臼歯の貫入方向を考慮することで,食べやすいごぼう調理が可能になると推測される。