カウンセリング研究
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原著
高校生における基本的社会的スキルと適応感の関連の短期縦断的検討 ―新入生と上級生の比較―
藤原 健志濱口 佳和
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2020 年 53 巻 1 号 p. 12-25

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抄録

本研究の目的は,(1)聴くスキル尺度をより少数の項目で測定する尺度を開発し,(2)これを用いて聴くスキルと主張スキル,全般的社会的スキルの因果関係を明らかにするとともに,(3)3つのスキルと適応感の関連を明らかにすること,の3点であった。まず聴くスキルについては,先行研究で作成された尺度項目から約6割の項目を採用し,確認的因子分析を行った。その結果,短縮版尺度は原版尺度同様の因子構造が再現され,各下位尺度についても十分な信頼性を有することが確認された。また,スキル間の関連では,新入生において,春時点の聴くスキルの高さが秋時点の他スキルの高さを予測していた。一方,上級生においては,KiSS-18で測定された春時点の全般的社会的スキルが秋時点の聴くスキルや主張スキルに対して正の影響を有する傾向にあった。適応感に対しては,おもに主張スキルが,その後の学校生活における満足感や知覚されたソーシャル・サポートに対して影響を与えることが示された。一方,聴くスキルや全般的社会的スキルは,主として上級生において,これら適応感と関連をもつようになることが示された。各スキル間の学年をまたいだ影響や,スキル訓練に対する示唆について考察された。

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© 2020 日本カウンセリング学会
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