2016 年 14 巻 p. 69-72
すでに始まっている高齢社会にあって、特養ホームでは地域ボランティアの協力を得て施設の人材不足の解消と地域高齢者とのコミュニティ形成を進め、安心して老いを迎えられる社会づくりに取り組む例もみられる。このような取り組みを広げ、財政負担を抑制し活力ある高齢社会を築くためには健常高齢者などが主体的に取り組めるまちづくり活動を実施することが重要であり、これに必要な施設や体制など各種機能の条件等を明らかにすることが課題となっている。本研究は、係る課題に応えるべく、高齢者の日常生活における地域社会との関わりや加齢に対する意識構造の面から実態や条件を明らかにすると共に、超高齢社会に至るまでの残された短い期間における、高齢者の健康で活力ある地域社会への参画の条件や課題を事例研究から明らかにすることを目的とする。