2017 年 15 巻 p. 25-28
本研究は,屋上緑化がもたらす雨水流出抑制効果を流域単位で定量的に評価することを目的とし,屋上緑化の普及に寄与し都市型水害リスクの低減に新たな方向性を示す.研究の結果,都賀川流域において屋上緑化可能なエリアが抽出でき,都賀川流域全体と屋上緑化可能なエリアにおける貯留効果を算出することができた.流域全体で約12万立米,屋上緑化可能なエリアで約4万立米貯留できることが分かり,それぞれ布引貯水池の1/5,1/15の貯水能力があることが分かった.今後は,他の緑化対策でも雨水流出抑制効果が期待できるか証明する必要があり,こういった効果を証明し普及していくことが都市型水害リスクの低減に役立つと考えられる.