2018 年 16 巻 p. 1-4
神戸市垂水区の塩屋には、1933年より、神戸在住英国人実業家アーネスト・ウィリアム・ジェームスが開発された通称ジェームス山と呼ばれる外国人居住地がある。本研究はジェームスが構想していたジェームス山の拡張計画の一端を明らかにすることを目的としている。 ジェームスの構想は高丸全てを開発するという壮大なものだった。その背景には、ジェームスがかねてから述べていた「外遊客誘致のための裏山の開発」の実現という強い思いがあったと考えられる。残念ながら、志半ばでジェームスはこの世を去るが、生きていたら更に私財を投げ打って土地を購入していたことが想像できる。その後、ジェームスの構想を引き継いだ井植によって、新たな住宅地が開発されることになった。