2022 年 2 巻 p. 43-48
【目的】胸椎化膿性椎間板炎に対する脊椎固定術後の脊髄性運動失調を呈した症例に対して,歩行機能の改善を目的とした振動刺激療法を運動療法と併用した結果,改善を認めたため報告する。
【方法】運動療法に併用して下肢に対して振動刺激療法を用いる介入期間を設けた。筋力強化練習や動作練習を中心とした運動療法を34日間実施した後に,振動刺激療法を追加して14日間実施した。そして,Walking Index for Spinal Cord Injury II(以下,WISCI II)を用いて歩行機能を評価した。
【結果】WISCI IIは13点から16点へと改善し,自宅内移動動作の獲得や屋外歩行手段の獲得につながった。
【結論】脊髄障害を伴った歩行障害に対して振動刺激療法を用いた介入が歩行機能の改善の一助となる可能性がある。