臨床リウマチ
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原著
Tacrolimusの有用性と有効な使用法についての検討
角谷 昌俊新美 美貴子中村 薫妹尾 高宏山本 相浩濱口 真英石野 秀岳坪内 康則河野 正孝川人 豊
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2010 年 22 巻 1 号 p. 79-86

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抄録
目的:tacrolimusは本邦で開発されたnon biologic DMARDsであり,T細胞の増殖・分化および炎症性サイトカインの産生を阻害することにより関節における骨・軟骨の破壊を抑制する.当科でデータの解析可能なtacrolimusを使用した関節リウマチ患者55例についての治療成績を報告する.
対象・方法:当科通院中の関節リウマチ患者で2005年8月以降にtacrolimus(0.5~3mg/日)の投与を開始した55例を対象とした.『骨びらん』,『抗CCP抗体陽性』,『リウマチ因子陽性』を認めた予後不良因子群は53例(96.4%)含まれていた.投与開始6,12,18,24,30ケ月後の治療効果および副作用を検討した.治療効果に関しては治療開始前後におけるDAS28(CRP)により評価した.さらに,途中脱落した症例や投与開始後30ケ月に満たない症例に関してはLOCF(Last Observation Carried Forward)法にて補足解析を行った.
結果:tacrolimus投与開始6ケ月後の継続率は78%と高く,治療成績は投与開始6ケ月の時点でgood responseまたはmoderate responseを獲得した症例が43例中26例と良好であった.LOCF法でもいずれの観察月においても有意差(P<0.001)をもって治療効果を認めた.さらにDAS28(CRP)が2.6未満の寛解に到達した症例は6ケ月目の時点で43例中16例,12ケ月では33例中15例であった.
結論:tacrolimusは早期に他のDMARDsやステロイドとともに少量投与で開始し徐々に増量することで,予後不良因子を含めた関節リウマチに対し安全に使用でき,かつ治療成績も良好であった.
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© 2010 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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