抄録
Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema(RS3PE)症候群に両側胸水を伴った症例を報告する.症例は83歳女性.炎症反応が高値で,好中球優位の滲出性胸水と手の蜂窩織炎様症状を認めた為,感染との鑑別診断に難渋した.ステロイドの増量で,手背と足背に圧痕を伴う浮腫(pitting edema)及び多発関節痛と高熱は急激に改善し,同時に胸水も劇的に改善を認めた.稀ではあるが,胸膜炎を伴うRS3PE症候群があるので注意を要する.