臨床リウマチ
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総説
リウマチ医としての必須手術知識
龍 順之助
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2011 年 23 巻 3 号 p. 145-155

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抄録

   関節リウマチ(RA)の治療は薬物療法が中心である.近年,MTXや生物学的製剤の登場により,RAの治療は大きく変革の時期を迎えている.現代はリウマチ治療にとって治療の歴史始まって以来の新しい有効な治療が出現し,最も画期的な変革の時期を迎えているといえる.現在までのRAの治療は疾患活動性の鎮静化を目的としていたが,現在は疾患の寛解を目的として治療が行われる時代となった.RAに対する外科的治療は将来的には必要のない時代になる可能性がある.しかし,近年の新しい治療が行われる以前に,長い経過で,関節の破壊が生じてしまっている多くの患者さんが存在するのも事実であり,近年の新しい治療法に反応しないnon-responderの方々が少なからず存在するのも事実である.関節が破壊され,機能障害が生じた患者さんには機能再建術が有用である.RAを治療するうえで,薬物療法を主体として,必要な場合には手術療法を行う総合的な治療が必要である.それ故に,リウマチ医は最低限の外科的知識が必須である.今回,内科医師にとっても不可欠なRAに対する外科的治療について記載した.

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© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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