臨床リウマチ
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原著
抗生剤投与期間と人工膝関節術後炎症反応の推移や合併症の頻度との関連
佐藤 雅経, 伊藤 淳, 村瀬 知男, 竹元 暁
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2011 年 23 巻 3 号 p. 188-193

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抄録
目的:人工膝関節全置換術における予防的抗菌薬投与の期間と術後の炎症反応,合併症との関連について調査した.また術前HbA1c値との関連についても同様の調査を行った.
対象・方法:対象は平成16年4月から22年4月に当院で施行した人工膝関節全置換術のうち関節リウマチ(RA)および再置換術例を除外した135例166膝(男性8膝,女性158膝)とした.疾患の内訳は変形性膝関節症(OA)153膝,骨壊死症(ON)13膝であり平均年齢は74.0歳であった.調査項目は抗生剤投与期間,CRP値および白血球数(術前日,術後1,2,3週),糖尿病の有無とHbA1c値および術後合併症とした.
結果:予防的抗菌薬として,セフェム系抗菌薬を術後約48時間まで約12時間間隔で点滴投与した群は45例49膝,セフェム系抗菌薬を同様に点滴投与した後,さらに約14日ミノサイクリン等の経口抗菌薬を投与した群は90例117膝だった.これら2群を統計学的に比較したところ,術後2週のCRP値が後者で有意に高かったほかには有意差はなかった.創部感染(SSI)の発生は前者で1例,後者で2例認めた.共に表層感染だったが,発生率に統計学的な有意差はなかった.細菌感染を伴う術後合併症には表層感染,肺炎,腸炎,尿路感染などがみられたが両群間の発生率に統計学的な有意差はなかった.腸炎は後者(内服あり群)にのみ3例発症し,1例は偽膜性腸炎だった.また,術前HbA1c値と術後炎症反応の推移や合併症の頻度との関連については,術後SSIおよび細菌感染症合併率に有意な差を認めなかったもののHbA1c6.4以上では,1週での白血球数およびCRP値,2週での白血球数が有意に高値であった.
結論:人工膝関節置換術後の抗菌薬使用は術後48時間までの点滴投与のみで問題なく,また糖尿病患者の場合,炎症反応の推移と文献的考察から,抗菌薬の投与間隔や周術期の血糖管理が重要と考えられた.
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© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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