臨床リウマチ
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原著
原発性シェーグレン症候群の臨床像と疾患活動性の関係
西山 進相田 哲史吉永 泰彦宮脇 昌二
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2016 年 28 巻 3 号 p. 220-226

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抄録

目的:原発性シェーグレン症候群(primary Sjögren’s syndrome: pSS)患者の疾患活動性評価と臨床像との関係を調べた.
対象・方法:2010年8月から2014年12月に当科を受診したpSS 74名の臨床情報を診療録から抽出した.
結果:全例女性で,平均年齢は受診時60.7±12.6歳,発症時48.0±13.7歳であった.活動性指標のESSPRI(EULAR Sjögren’s Syndrome Patient Reported Index)とESSDAI(EULAR Sjögren’s Syndrome Disease Activity Index)はそれぞれ72と70名で評価され,中央値はそれぞれ 4.3と3.0であった.ステロイドは60.8%に使用され,投与量はPSL換算で平均3.1±2.1 mg/日であった.ESSDAI<5(低疾患活動性),5~13(中),≧14(高)はそれぞれ45,19,6名であり,高疾患活動性では全例ステロイドが使用され,そのステロイド使用量(6.3 mg)は中および低疾患活動性(両者とも2.7 mg)よりも有意に多かった.発症が40歳未満と40歳以上を比較すると,ESSDAIは40歳未満の若年発症者で有意に高く(中央値7.0 vs. 2.0),その構成成分のうちリンパ節腫脹に有意差を認めた.ESSPRIは両群で差を認めなかったが,その構成成分のうち疲労自覚は若年発症者で有意に高値であった.
結論:若年発症のpSSは疾患活動性が高く,疲労とリンパ節腫脹が顕著であった.

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© 2016 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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