臨床リウマチ
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原著
RA患者における高感度LPS結合蛋白(LBP)測定とACPA抗体の動態─DMARDs治療中患者を対象に─
竹村 正男出田 貴康佐藤 正夫石田 秀和藤垣 英嗣山本 康子佐々木 智弘竹村 恵里奈斉藤 邦明
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2022 年 34 巻 2 号 p. 144-151

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抄録

 LPSは炎症の成立に重要な役割を果たしている.LPSはLPS結合蛋白(LBP)と結合し,さらにCD14が結合することで炎症シグナルを細胞内に誘導する.今回,我々は長期療養(5年以上)のRA患者を対象に,高感度法によるLBPの定量とACPA抗体の変動を調査した.また炎症の指標とされているCRPおよびIL-6の測定を同時に行いバイオマーカーとしてのLBPの臨床的意義について検討を行った.血中LBP値(Mean ± SD)は健常者3.69±1.26μg/mL,OA群6.05±2.40μg/mL,RA群11,10±5,16μg/mLであり,RA群で最も有意に高値を示した(p < 0.0001).さらにstage,classの亢進に伴いLBPが増加した.また,ACPAとは相関(r=0.410)を認め,陽性群と陰性群での比較では陽性例が有意(p<0.002)に高値であった.このことから高感度法によるLBPの測定はRAの新たな病態解析の指標の一つになる可能性が有るものと考える.

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© 2022 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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