臨床リウマチ
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総説
全身疾患としての乾癬
川畑 仁人
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2023 年 35 巻 2 号 p. 58-63

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抄録

 乾癬は皮膚に慢性炎症を来す免疫疾患であるが,以前より乾癬性関節炎として四肢関節や脊椎に病変を来すことが知られていた.近年,さらに肥満症や高血圧,脂質異常症,メタボリックシンドローム,非アルコール性脂肪性肝疾患などの合併を来す率が高いことが国内外から示されており,全身性の疾患であることが明らかになっている.一方,肥満などの環境要因と乾癬発症リスクの関連も指摘されており,皮膚と全身が相互に発症や病態に影響を与えていると考えられている.このような皮膚と全身合併症の関連は,両者をつなぐ炎症病態の存在を仮定した乾癬マーチの概念に至っている.乾癬性関節炎ではより全身の合併症の頻度が高いとする報告もあり,リウマチ医にとっても乾癬性関節炎をコントロールするうえで,全身性疾患としての視点に立った診療が求められる.

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© 2023 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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