2023 年 35 巻 3 号 p. 162-168
ウパダシチニブはJAK1に高い選択性を示す低分子化合物であり,関節リウマチや脊椎関節炎,炎症性腸疾患,アトピー性皮膚炎の治療薬として国内で承認されている.疾患や患者の状態に応じて1日投与量として7.5 mgから45 mgまで使用されることから,有効性・安全性と用量の関係性を理解することに大いに役立つことが期待されている.多剤治療抵抗例にも有効性を認めているが,他のJAK阻害薬と同様に帯状疱疹をはじめとした感染症には留意する必要がある.ただし,ウパダシチニブが心血管事象や悪性腫瘍の発現リスクを高めることを示唆するエビデンスはこれまでに得られていない.