2025 年 37 巻 1 号 p. 26-32
関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)は,関節の炎症により疼痛や腫脹が生じるとともに,軟骨や骨が破壊され,関節が変形し,機能障害をきたす疾患である.2003年に生物学的製剤が国内で承認されたことにより,患者の治療目標は,臨床的寛解,機能的寛解,良好な健康関連QOLの維持が目指せるようになった.さらに,患者と医師の間で共有される意思決定の原則に基づくtreat-to-target(T2T)「目標達成に向けた治療」が推奨されている.つまり,患者は正しい知識と情報をもって治療に参加することや継続的なセルフケア能力が求められるようになった.
RA患者は,高齢者の増加や生物学的製剤・JAK阻害薬などの使用により感染症リスクが高く,手洗いや衛生管理,ワクチンの予防接種の推奨,感染症の早期発見と治療などの感染症対策が必要である.また,RA患者の歯周病罹患率は一般集団と比べて高く,口腔内環境の不良が歯周病やRAの疾患活動性を悪化させることから,口腔内の観察や意識づけ,口腔清掃用具の検討といった口腔ケアが必要である.さらに,RA患者の骨粗鬆症の有病率は,一般集団に対して2倍に上昇することが報告されていることから,食事や日光浴,運動などの骨粗鬆症予防が必要である.しかし,RA患者にエビデンスに基づいた個別性のある患者支援を行うには,エビデンスが十分とは言えない.今後,看護支援のエビデンスのための看護研究が求められる.