2018 年 29 巻 p. 41-54
繊維補強無孔性コンクリート(PFC)は300N/mm2を上回る世界最高の圧縮強度を有しており,その構造利用によって構造物の薄肉・軽量化が期待できる。本研究では外ケーブル方式セグメントはり部材にPFCを適用した薄肉で軽量なプレストレストコンクリート(PC)はりの耐荷挙動を検討するため,高いプレストレスを導入したセグメントの接合部を有するはりの曲げ試験を行った。その結果,部材断面下縁のプレストレスを20N/mm2から40N/mm2と大きくすることで,はりの破壊モードが変化し,耐荷力が大幅に向上することが確認された。また,非線形有限要素法によって,実験の曲げ降伏耐力を良好に再現できることを確認した。PFCを用いた外ケーブル方式セグメントPC構造は,大きなプレストレスを与えることでコンクリート構造物に使用できる可能性を示した。