材料押出方式の建設用3Dプリンタでは,モルタルは一般的に引張強度が低く,単独では引張応力が生じる部材に使用することが困難であるため,引張力を負担する補強方法が求められている。本研究では,連続した補強用鋼繊維をモルタルと同時に押し出して,連続繊維補強モルタルを積層する3Dプリンティング工法を用いて,連続繊維を部材軸方向に配向させた梁部材を積層した。梁部材は曲げ載荷実験により構造性能を確認し,実験結果を断面計算結果と比較することで補強効果を評価した。その結果,連続繊維により補強されたモルタル梁は曲げ耐力が向上し,計算値と同等の耐力を有していることが明らかとなった。