2007 年 22 巻 4 号 p. 458-467
近年の再生医療の進歩に伴い,“培養皮膚代替物”はすでにさまざまな創傷治療で成果をあげ,重症火傷患者の救命率向上に大きく寄与している.培養皮膚代替物の適用(移植)の際,細菌による二次感染防止のため抗生物質軟膏などを用いた薬物治療が行われているが,この場合,移植皮膚表面に薬剤を適用するよりも予め抗菌物質を封入した培養皮膚代替物を製剤として直接適用するほうが効果的な治療が期待できると思われる.本稿では,重症火傷や褥瘡などの皮膚欠損に対する新規DDSとしての培養皮膚型貼付剤に関する研究結果について紹介する.