Drug Delivery System
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特集 “ニューモダリティを操る物性評価技術”  編集:川上亘作
グアニン四重鎖構造形成オリゴ核酸の構造評価と核酸医薬品への応用
山崎 智彦TU Ti Tram Anh
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2021 年 36 巻 5 号 p. 360-368

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抄録
コロナ禍でmRNAワクチンが実用化され、世界の人々に認知された現在、核酸医薬品は新しい創薬モダリティとしての重要性と期待が増している。核酸医薬品の標的となるタンパク質や核酸の多くは細胞内に存在することから、細胞内において核酸医薬品と標的分子との相互作用を制御することは重要である。一方で、核酸分子は構造的自由度が高く、配列と周囲の環境により立体構造を変化させる。なかでも天然のオリゴ核酸の形成する高次構造の1つであるグアニン四重鎖構造は、その置かれた環境により構造をダイナミックに変化させることが知られている。本稿では、グアニン四重鎖構造について概説するとともに、立体構造の評価方法、およびグアニン四重鎖構造を形成するオリゴ核酸の核酸医薬品開発への応用について紹介する。
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© 2021 日本DDS学会
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