抄録
眼瞼を含む顔面の皮疹が高度で,顔面へのステロイド外用量が5g/月程度のアトピー性皮膚炎患者25人を対象とし,経時的に眼圧の測定を行い,ステロイド外用療法の眼圧への影響を検討した.その結果,開始時に1人(4%)で軽度の眼圧上昇を認めた以外は,7カ月~2年8カ月の観察期間中,眼圧の上昇は認めず,前述の1例ではその後眼圧がさらに上昇することもなかった.より多数例での検討を要するものの,今回の検討からは,顔面へのステロイド外用療法はミディアムクラス5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはなりにくいと考えられた.