日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
原著
UVB照射にて点状紫斑を誘発しえたsolar purpuraの3例―紫斑型の多形日光疹との関連を含めて―
原 肇秀塚崎 直子片山 一朗西本 勝太郎渡辺 雅久
著者情報
ジャーナル 認証あり

2003 年 113 巻 4 号 p. 423-430

詳細
抄録

強い日光曝露後に点状紫斑を生じる稀な状態であるsolar purpuraの3例を報告した.症例1:45歳,女性.強い日光曝露後に両下腿に点状紫斑が出現.背部皮膚へのUVBの反復照射試験にて,4日目に同様の点状紫斑が誘発された.症例2:43歳,女性.C型肝炎.抗核抗体640倍.日光曝露後に露光部に丘疹,点状出血の混在するびまん性紅斑が出現.症例3:36歳,女性.SLE.症例2,3ともに,背部皮膚へのUVB照射により紫斑が誘発され,その病理組織像は症例1と同様であった.3症例ともに紫斑型のPLEの存在が示唆された.かつ,症例2,3では誘発に1週間以上の期間を要し,LEにみられる光線過敏と類似のメカニズムの関与も推定された.

著者関連情報
© 2003 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top