抄録
症例1,67歳,男性.平成12年6月頃より,頭頂部にドーム状に隆起した暗紫紅色の腫瘤が出現したため受診した.病理組織学的に血管肉腫と診断し,IL-2局所注射,腫瘍切除,放射線照射による治療を行った.これらの治療の後paclitaxel 180 mg/m2を1日投与3週間休薬の形で2回行った.投与後,白血球の減少,筋肉痛,関節痛が出現した.その後,定期的に外来通院中であるが腫瘍切除後22カ月経過した現在まで再発,転移は認められない.症例2,72歳,男性.平成13年8月より頭頂部に直径1.5 cm×1.5 cm大のドーム状の腫瘤が出現してきた.平成13年9月6日当科を受診した.生検組織より血管肉腫の診断を確認した.その後2週間程で左側頭部に皮膚転移を認めたため,原発巣と一緒に切除した.術後放射線による治療と同時にpaclitaxel 60 mg/m2を1日投与6日間休薬の形で合計12回行った.格別副作用はなく12カ月経過した現在まで再発,転移は認められない.このように2症例とも,少なくとも12カ月以上再発,転移が認められないことよりpaclitaxelを加えた集学的治療は血管肉腫に対する有用な治療法として期待できる.