日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 4 号
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生涯教育講座
  • 藤本 亘
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 4 号 p. 381-388
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
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    Recent advances in the investigations of the molecular basis of hypohidrotic ectodermal dysplasia (HED) and incontinentia pigmenti (IP) are reviewed. A new member of TNF-ligand, ectodysplasin (EDA), its receptor, EDAR, and EDAR-associated death domain (EDARADD), have been isolated. Mutations of these genes have been identified as the cause of X-linked and autosomal forms of HED. NEMO/IKKγ gene deficiency has been shown to cause IP. Recent reports have elucidated that HED and immunodeficiency (HED-ID) is also derived from mutations in exon 10 of the NEMO/IKKγ gene. These data not only confirm the important role of EDA/EDAR signal trunsduction in regulating the morphogenesis of the ectoderm but also provide the unique view that NF-κB activation through NEMO/IKKγ is crucial in the development of skin appendages and the immune system.
原著
  • 河村 七美, 出光 俊郎, 安齋 眞一, 岡田 理, 窪田 卓, 米田 耕造, 藤田 幸子, 吉村 堅太郎, 真鍋 求
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 389-397
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    組織切片から虫体を同定し得た幼虫皮膚爬行症2例を報告し,その2例を含む当教室における過去6年間の幼虫皮膚爬行症28例について臨床統計学的検討を行った.1995年4月から2001年3月までの6年間の当教室における幼虫皮膚爬行症患者は28例で,初診時年齢27歳から76歳(平均50歳),男女比は4:3(男16例,女12例)であった.発症時期は28例中25例が10月から1月の秋冬期であり,これは八郎潟のシラウオ漁解禁の時期にほぼ一致している.食歴では28例中21例(75%)で八郎潟産のシラウオ生食が認められた.以上のように発症時期や食歴より秋田県における幼虫皮膚爬行症は,その感染源として今まで報告の少ない八郎潟産のシラウオが関与していると推測される.
  • 藤沢 康弘, 山﨑 直也, 山本 明史, 町田 秀樹, 野呂 佐知子, 岩田 良子
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 399-404
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    当院において遠隔転移が肝に限局する悪性黒色腫患者13名(眼球脈絡膜原発11例,皮膚原発2例)に対し,肝動脈内抗癌剤投与(cisplatin 70 mg/m2)に経カテーテル肝動脈塞栓術を併用し治療した.現在までのところ自験例における肝転移発見からの生命予後は4例の生存例も含め平均18.6カ月,中央値14カ月,最長45カ月であり,うち1例は治療2回施行後complete responseとなり,肝転移発見から22カ月を経た現在もcomplete responseを継続している.本治療の副作用としては発熱,腹部症状(腹痛,嘔気,嘔吐),胃潰瘍,血清中肝酵素及び乳酸脱水素酵素(以降LDHと略す)値上昇を認めたが一時的で,骨髄抑制など生命にかかわる重篤な有害反応は認めなかった.なお肝転移発見時に血清中LDH値の上昇を認めた群では認めない群に比して統計学的有意に予後不良であった(logrank test:p=0.0044).本治療方法は重篤な副作用を伴わず,かつ従来の方法では困難であった悪性黒色腫多発性肝転移の治療として有用であると考える.
  • 山﨑 文和, 橋本 洋子, 堀尾 武
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 405-411
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
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    外用非ステロイド系消炎鎮痛薬(以下NSAIDs)は近年,光接触皮膚炎の主要な原因薬剤となっている.特にketoprofenは薬剤との接触を絶った後でも長期間光線過敏症が持続するという特徴があり,交差反応する薬剤の多さも含めて臨床的に問題となっている.今回,安全に使用できるNSAIDsを探す目的で光毒性,光感作能につき動物モデルを用いて検討した.Ketoprofenに関しては,光感作部位における光線過敏性の持続期間も検討した.試験薬剤としてfelbinac, flurbiprofen, ketoprofen,陽性コントロールとして,強度の光感作物質として知られているtetrachlorosalicylanilide(以下TSCA)を用いた.結果:2%TSCA群,40%,5%ketoprofen群では全ての動物(5/5)で光アレルギー感作が成立した.さらにketoprofenは塗布後42日目でも塗布部位のみにUVAによる反応性が持続していた.同部位にUVA照射後反応が見られなくなった時点で他部位に1%ketoprofenを塗布してUVAを照射すると,光アレルギー反応が惹起された.以上よりketoprofenは光感作能が強度で,一旦光感作が成立すると光線過敏が長期間持続することが実験的に明らかになった.一方felbinac群(0/5),flurbiprofen群(0/5)では,感作増強のためにcyclophosphamideで前処置しても光アレルギー感作は成立しなかった.以上よりketoprofenは光感作能の強いNSAIDsであり,処方するに当っては,処方医の患者指導と薬剤師の投薬指導が,光線過敏発症の予防に重要である.一方,felbinac, flurbiprofenは光線過敏をおこしにくいという点では日光露光部位に使用する外用NSAIDs剤として適していると思われる.
  • 岸本 和裕, 中村 晃一郎, 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 413-422
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    我々が経験した天疱瘡患者41例のうち,臨床的に粘膜優位型尋常性天疱瘡(mucosal dominant pemphigus vulgaris,PV-M)/粘膜皮膚型尋常性天疱瘡(mucocutaneous pemphigus vulgaris,PV-MC)/落葉状(皮膚型)天疱瘡(pemphigus foliaceus,PF)の3病型間で移行を示した症例は12例(12/41例,29.5%)存在した.病型移行の前・後で,Enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法を用いて抗デスモグレイン(desmoglein,Dsg)1,Dsg3抗体価を測定し,抗Dsg抗体プロファイルを解析したところ,測定し得た全例において抗体プロファイルの変化を明確に捕らえることが可能であった.また,経時的に抗Dsg抗体価を測定し得た症例の検討では,臨床症状と抗Dsg抗体価,および病型移行と抗Dsg抗体プロファイルの変化に強い相関があることが確認された.以上より,ELISA法を用いた抗Dsg抗体プロファイルの経時的な追跡は,天疱瘡の経過中に起こり得る病型移行を迅速かつ的確に把握できるため,治療計画を立てる上で非常に有用であると考えた.
  • 原 肇秀, 塚崎 直子, 片山 一朗, 西本 勝太郎, 渡辺 雅久
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 423-430
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    強い日光曝露後に点状紫斑を生じる稀な状態であるsolar purpuraの3例を報告した.症例1:45歳,女性.強い日光曝露後に両下腿に点状紫斑が出現.背部皮膚へのUVBの反復照射試験にて,4日目に同様の点状紫斑が誘発された.症例2:43歳,女性.C型肝炎.抗核抗体640倍.日光曝露後に露光部に丘疹,点状出血の混在するびまん性紅斑が出現.症例3:36歳,女性.SLE.症例2,3ともに,背部皮膚へのUVB照射により紫斑が誘発され,その病理組織像は症例1と同様であった.3症例ともに紫斑型のPLEの存在が示唆された.かつ,症例2,3では誘発に1週間以上の期間を要し,LEにみられる光線過敏と類似のメカニズムの関与も推定された.
  • 三笠 聖美, 清水 宏和, 橋本 隆, 玉田 康彦, 松本 義也
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 431-435
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    症例1,67歳,男性.平成12年6月頃より,頭頂部にドーム状に隆起した暗紫紅色の腫瘤が出現したため受診した.病理組織学的に血管肉腫と診断し,IL-2局所注射,腫瘍切除,放射線照射による治療を行った.これらの治療の後paclitaxel 180 mg/m2を1日投与3週間休薬の形で2回行った.投与後,白血球の減少,筋肉痛,関節痛が出現した.その後,定期的に外来通院中であるが腫瘍切除後22カ月経過した現在まで再発,転移は認められない.症例2,72歳,男性.平成13年8月より頭頂部に直径1.5 cm×1.5 cm大のドーム状の腫瘤が出現してきた.平成13年9月6日当科を受診した.生検組織より血管肉腫の診断を確認した.その後2週間程で左側頭部に皮膚転移を認めたため,原発巣と一緒に切除した.術後放射線による治療と同時にpaclitaxel 60 mg/m2を1日投与6日間休薬の形で合計12回行った.格別副作用はなく12カ月経過した現在まで再発,転移は認められない.このように2症例とも,少なくとも12カ月以上再発,転移が認められないことよりpaclitaxelを加えた集学的治療は血管肉腫に対する有用な治療法として期待できる.
  • 橋本 隆, 福井 利光, 玉田 康彦, 松本 義也, 加藤 真司, 原 一夫
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 437-442
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    47歳,男.平成3年頃より左腰部に腫瘤が出現.放置していたところ徐々に増大傾向を認めた.約8年後近医受診し,生検にて隆起性皮膚線維肉腫(Dermatofibrosarcoma protuberans,以下DFSPと略す)が疑われ,当科紹介入院.腫瘍を摘出したところ,病理組織像にて約60%に線維肉腫(Fibrosarcoma 以下FSと略す)様病変を伴ったDFSP-FSの像を呈していた.その後定期的に経過観察をしていたが,術後約1年経過のCTにて左肺S5領域に2 cm大の結節性陰影を認めた.生検にて悪性腫瘍が疑われたため左上葉部分切除施行したところ,腰部DFSPのFS成分とよく似た組織像を呈していた.DFSP-FSは通常のDFSPに比べ遠隔転移をする事があり,厳重な経過観察が必要である.
  • 福屋 泰子, 檜垣 祐子, 三石 剛, 吉原 伸子, 佐多 徹太郎, 川島 眞
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 4 号 p. 443-449
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    68歳,男性.平成9年2月17日に左鼻翼,左頬部に紅斑と小水疱からなる帯状疱疹を発症した.10日後にびらんとなり,数日で上皮化した.3月7日より左鼻翼の変形が出現したため,3月13日当科を受診した.初診時,左鼻背,左鼻翼から左頬部にかけて感覚鈍麻を伴った浸潤を触れる紅斑があり,左鼻入口から鼻前庭にかけては著明に狭窄していた.紅斑の病理組織所見では,真皮の柵状肉芽腫と真皮深層から脂肪織に肉芽腫性血管炎を認めた.生検組織を用いたPCR法ではVZV DNAが陽性であった.治療はプレドニゾロンの内服が奏功した.国内外の既報告47例を集計し考察を加えた.
生涯教育シンポジウム
  • 古江 増隆, 古川 福実, 秀 道広, 竹原 和彦
    原稿種別: 生涯教育シンポジウム
    2003 年 113 巻 4 号 p. 451-457
    発行日: 2003/03/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    Recently in Japan, misunderstandings about the pathogenesis of atopic dermatitis (AD) and the strategies for the treatment of this disease, especially about the use of topical steroid, have led to a rapid increase of severe cases of AD caused by inadequate treatment. This prompted us to establish and distribute standard guidelines for AD therapy. In this guideline, the necessity of dermatological training to examine severe cases of AD is emphasized. It is stated that the present standard therapies for AD consist of the use of topical steroid and tacrolimus ointment (only for adult patients) for inflammation and emollient for dry and barrier—disrupted skin as the first line of attack, anti-histamines and anti-allergic drugs for pruritus, avoidance of apparent exacerbating factors, psychological counselling, and advice about daily life. The importance of correct selection of topical steroid according to the severity of the lesion is emphasized.
学会抄録
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