日本皮膚科学会雑誌
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原著
パッチテストにてflare-upを呈したカルバマゼピンによる薬疹の1例
新田 悠紀子尾之内 博規
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2003 年 113 巻 6 号 p. 983-987

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抄録

38歳女性.中学生の頃より,てんかんに罹患.平成6年より,神経内科にてバルプロ酸ナトリュウム内服にて経過良好であった.平成13年4月てんかん発作再発し,カルバマゼピンを内服追加後,6月に38.0°Cの発熱と全身に紅斑・紅色小丘疹が出現し好酸球27%.組織像では表皮軽度の海綿状態,基底層の液状変性,真皮上層の浮腫,血管周囲のリンパ球の浸潤を認めた.プレドニゾロン内服で症状は消退.パッチテスト施行した30時間後に,背のパッチテスト部を中心に全身に紅斑・紅色小丘疹が再燃.パッチテストにてflare-upを呈したカルバマゼピンによる薬疹と診断した.flare-upを呈したのは経皮的なカルバマゼピンの吸収による全身性接触皮膚炎と思われた.

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© 2003 日本皮膚科学会
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