日本皮膚科学会雑誌
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113 巻 , 6 号
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生涯教育講座
  • 藤原 作平
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 6 号 p. 937-944
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    Recent advances in extracellular matrix research concerning skin diseases were reviewed. Several different forms of amino terminal splicings of type VI collagen were identified ; these might contribute to binding with decorin or biglycan. Type XVI collagen is synthesized by nonadherent and proliferative fibroblasts. This collagen is expressed in dermal dendrocytes and might contribute to their anchorage in the papillary dermis. Dermatopontin, which is a low molecular weight component abundant in dermis, interacts with decorin and TGF-β1, and modulates the action of TGF-β1. The null mouse for this molecule showed dermal thinning and increased elasticity. Only a little is known about the molecular defect of congenital cutis laxa, but elastin gene mutations have been reported in patients with autosomal dominant cutis laxa. The gene targeted mouse for fibulin 5 has recently been reported ; it mimics human cutis laxa with vascular and pulmonary involvement. Myofibroblasts play important roles in fibrosing diseases such as hypertrophic scar, keloid, and interstitial reaction against epithelial tumors. Transforming growth factor beta1 is one of most potent inducers of myofibroblasts from fibroblasts, and the expression of EDA, a splicing form of fibronectin, leads this phenotypic change. Antifibrotic therapy that involves blocking connective tissue growth factor or regulating other transcription factors, e. g. Sp1 or hcKrox, is expected in the future.
原著
  • 遠藤 薫
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 6 号 p. 945-959
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    アトピー性皮膚炎入院患者504名(男202名,女302名)に施行した矢田部―ギルフォード(YG)性格検査の結果を健常人164名(男45名,女119名)と比較すると,男性患者は健常人男より性格因子D(抑うつ的),I(劣等感),N(神経質)が高く,G(活動的)が有意に低くなっていた.女性患者は健常人女よりAg(攻撃的)とR(のんき)が低くなっていた.健常人女は健常人男よりD,C(回帰性傾向),Iが高く,情緒的に不安定であった.逆に男性患者は女性患者よりNが高く,S(社会的外向)が低く,女性患者は男性患者よりAgとRが低くなっていた.アトピー性皮膚炎の症状で比較すると,男では,入院時重症になるほど,DとCが高く,Sが低くなっていたが,女では性格因子に差がなかった.治療などを考慮した疾患重症度をみると,男では,D,Cの有意差が消失していた.顔面重症度を見ると,女性患者では中等症に比べて軽症及び重症患者で,GとSに低下が見られた.発疹型を6群(紅斑型,丘疹型,紅斑+丘疹型,貨幣状型,肥厚・苔癬化型,痒疹型)に分類すると,男において,紅斑型と肥厚・苔癬化型は,紅斑+丘疹型,貨幣状型に比べて,D,I,N,Co(非協調的)が高く,Ag,G,R,A(支配的),Sが低くなっていた.アトピー性皮膚炎を臨床経過から,現在の発疹が悪化してからの年数が5年未満の群と5年以上の群に分けると,5年以上の群は男性患者でCoが高くなっていた.入院直前1カ月のステロイド外用量から,5群(0g/月,5g/月未満,5~50g/月,50g/月以上,ステロイド内服・注射)に分類した.男性患者では,5g/月未満と5~50g/月の群は0g/月とステロイド内服・注射の群に比べてAgが高く,女性患者では50g/月以上の群でAgが高くなっていた.さらに,入院中のステロイド外用量から同様に分けると,男性患者ではステロイド内服した群において,性格因子D,Iが高く,G,R,A,Sが低下していた.女性患者では,ステロイドの外用が多くなると,AgとSが低くなっていた.検査値との関係を見ると,血清LDH値では,高値であるほど女性患者でRが低下していた.血清IgE値が高いほど,男性患者ではDが高く,女性患者ではRが低下していた.また,血清cortisol値が低いほど,男性患者では,O(主観的)が高く,女性患者では,DとIが高くなっていた.アトピー性皮膚炎の男は,健常人より情緒が不安定で人間嫌いで閉じこもる傾向があり,女は優柔不断で他人の意見に左右されやすく,特に顔面が悪化すると人間嫌いで閉じこもる傾向があると言える.また,皮膚症状が性格因子に影響する以上に,性格因子の問題点が臨床経過に重大な影響を及ぼしている可能性がある.
  • 岩屋 聖子, 片山 寿子, 石地 尚興, 本田 まりこ, 上出 良一, 新村 眞人, 銭谷 幹男
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 6 号 p. 961-964
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    平成13年12月からC型慢性肝炎に対する新しい治療法であるインターフェロンとリバビリンの併用療法が保険適応となり,当院内科では平成14年9月までに56例が投与を受けた.そのうち14例に副作用として発疹が生じた.14例の内訳は男13例,女1例.発疹は浮腫性紅斑が7例,点状紫斑が5例,扁平苔癬型が1例,乾癬型が1例であった.点状紫斑の病理組織像は,真皮乳頭層の浮腫,毛細血管の破綻と赤血球の漏出,血管周囲性のリンパ球浸潤が見られたが,血管炎は見られなかった.発疹の出現時期は治療開始1~90日目で様々であったが,半数は1週間以内に出現していた.乾癬型を除く全例で治療継続中に発疹は消退した.インターフェロン単独療法に比べ,リバビリンとの併用療法では,副作用としての発疹の発現頻度が高く,自験例では紫斑を呈する症例が他の報告例に比べ多かった.
  • 曽和 順子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 6 号 p. 965-981
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    今回われわれは,775例の後天性色素細胞性母斑を対象に,病理組織学的随伴所見の種類と出現頻度を検討した.病理組織学的随伴所見として,母斑細胞性多核巨細胞,偽血管腔の形成,神経組織様変化,脂漏性角化症様の表皮の変化,びらん・潰瘍,毛包の開大,面皰,毛包嚢腫,表皮突起周囲の膠原線維の層状の増生,真皮の母斑細胞間の膠原線維の増生,脂肪細胞の出現,血管の増生,骨形成,化膿性病変を検討した.さらに臨床病理組織学的分類別(Unna型,Miescher型,Spitz型,Clark型),病理組織学的分類別(境界型,複合型,真皮型)に,これらの病理組織学的随伴所見の出現頻度を検討した.病理組織学的随伴所見を理解することは,後天性色素細胞性母斑の病理診断および臨床診断の際に有用であると考えた.
  • 新田 悠紀子, 尾之内 博規
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 6 号 p. 983-987
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    38歳女性.中学生の頃より,てんかんに罹患.平成6年より,神経内科にてバルプロ酸ナトリュウム内服にて経過良好であった.平成13年4月てんかん発作再発し,カルバマゼピンを内服追加後,6月に38.0°Cの発熱と全身に紅斑・紅色小丘疹が出現し好酸球27%.組織像では表皮軽度の海綿状態,基底層の液状変性,真皮上層の浮腫,血管周囲のリンパ球の浸潤を認めた.プレドニゾロン内服で症状は消退.パッチテスト施行した30時間後に,背のパッチテスト部を中心に全身に紅斑・紅色小丘疹が再燃.パッチテストにてflare-upを呈したカルバマゼピンによる薬疹と診断した.flare-upを呈したのは経皮的なカルバマゼピンの吸収による全身性接触皮膚炎と思われた.
  • 山田 瑞貴, 岩澤 うつぎ, 大原 國章
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 6 号 p. 989-994
    発行日: 2003/05/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    68歳男性.3年前から左頬部に黒色斑が出現し,2カ月前からその下床に腫瘤を呈してきた.初診時,左頬部に14×11mm,濃淡不整な黒色斑があり,その下床には硬い皮下腫瘤を触知した.病理組織学的には表皮から皮下組織まで連続する境界明瞭な腫瘍であり,表皮内には黒色斑の範囲に一致してメラニンを豊富に有する短紡錘形細胞が孤立性あるいは胞巣状に増殖していた.真皮から皮下組織にかけては膠原線維の増生が目立ち,その隙間に大小不同の紡錘形細胞が浸潤していた.紡錘形腫瘍細胞は異型の核を持ち,メラニン色素はみられなかった.免疫組織化学的にはVimentin,S-100染色は表皮内および真皮以下の病変共に陽性であったが,HMB-45染色は表皮内病変のみに陽性であった.以上の所見からDesmoplastic malignant melanomaと診断した.本症は稀な疾患であるが,近年臨床的・病理組織学的特徴が確立しつつある.自験例は典型例と考えられた.
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